沖ハマりの日常 vol.68

沖ハマりの日常

沖縄の長寿を祝うイベント「カジマヤー」は旧暦9月7日に行われるため、2026年は新暦10月17日になります。実は、ウチの母親が今年数えで97歳になりカジマヤーに該当するのですが、大阪で数十年を暮らす老母は沖縄のように華やかな衣装に身を包み、近所をオープンカーで練り歩くのは「恥ずかしい!から絶対にヤメて」と念を押されてしまいました。

「そうは言うても絶対に喜ぶで」という息子たちの思惑を感じ取ったのか?「本当に嫌からね!」と数度に渡り念を押されてしまいましたので、パレードは断念しました。

今回は、カジマヤーにタイムリーな公開となりますので、投稿サイト「NOVELDAYS」で9月21日に発表した「カジマヤーは人生で一度きり」と、同じサイトに掲載している陽気で小悪魔な母を書いた「母さんはオバーと呼ばれている」の一部を掲載します。

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№182 カジマヤーは人生で一度きり

沖縄で「カジマヤー」って言葉がありますが、直訳的な意味では「風車」になります。イメージでは牧場や山の上に立つ「ふうしゃ」ではなく、子供が夜店で買ってもらうような「かざぐるま」です。沖縄文法では「風」を「カジ」と発音するのですが、「マヤー」は「回ってる」の意で「風回し」が語源という説があります。

先日、ホームセンターに行った時に植木や植栽のコーナーで大量のかざぐるまを見ましたが、折よく吹き込んだ風に一斉に回るさまにテンションが上がりました。紙で作った記憶もありますが、お店に置かれていた”かざぐるま”は薄いプラスチックのカラフルな羽を猛烈な勢いで回しています。

実は「カジマヤー」には別の意味もあるらしく、”かざぐるま”の形から「十字路」をそう呼ぶこともあるそうですが、最近の沖縄では使う人が少なくなってきている言葉だと言われます。

でも、そんな沖縄にあってもイベントとしての「カジマヤー」は、自治体の紹介記事などで周知されますので、世代問わずに浸透していると思います。イベントとしての「カジマヤー」とは、長寿の多い沖縄県でも特別扱いされる「生年祝い」の事で、数え年で97歳になる年の旧暦9月7日に盛大に行われます。まぁ、地区挙げての「お誕生日会」という感じです。

12年ごとの干支回りを「年おとこ」や「年おんな」として、少し意識する事もあるでしょうが、36歳なんて働き盛りの年は「気づけば、年おとこが終わっていた」なんてこともありそうです。ですが、60歳の「還暦」は仕事の定年もあり(現在は65歳や70歳とも言われますから、還暦で定年とは、もう言えないかも知れません。)、意識しそうですね。

沖縄の年目(トゥシビー)は「数え年」で行いますが、還暦だけは「満60歳」と認識されているようですが、還暦を超えた後の「数え73歳」や「数え85歳」などなると、「また”年目(トゥシビー)”を迎えられて良かったね」という「長寿祝い」に変わのです。特に、暦の八週目にあたる「数え97歳」の年は、人生を大きく一巡して子供に戻ると考えられています。

そこで、「童心」や「無邪気な心」の表れとして「かざぐるま」でオジーやオバーを祝うのです。先ほど、「盛大に祝う」と書きましたが、内地の感覚では「家中に飾り付けをして誕生日会を開く」または、資力に余裕のある方ならホテルなどの会場で祝うのかも知れませんが、さきほどの”盛大”はお金をかけて祝うというニュアンスより「多くの人が祝う」と言う感じです。

オジーやオバーを乗せて、華やかに飾り付けられたトラックやオープンカーで集落の中をゆっくりと走らせるのです。十字路では沿道の人々にも風車や祝い菓子を配り、音楽や踊りも交えて地域全体で長寿を祝うのです。「健康長寿にあやかる」という意味も込められているように思います。

沖縄にルーツを持つ母が、今年カジマヤーを迎えます。兄弟も近しい親戚も内地で生まれた者ばかりですが、お金をかける事ができなくても”盛大に”祝ってあげようと、先のホームセンターでカラフルなかざぐるまを子供と孫とひ孫の数だけ買い求め、ひ孫の背丈もありそうな巨大なかざぐるまも交えて、豪快に祝おうと計画しています。

沖縄のように、9升7合のお米を用意するのは「内地だから許して」と止めましたが、オープンカーをレンタルして派手なちゃんちゃんこを用意し、近所を練り歩くくらいはしてあげられそうなので、母に提案しました。

「恥ずかしいから絶対にイヤ!」

と、普段の母と違って強く大きな声で拒否られました。


「NOVELDAYS」に掲載したのはココまでなのですが、掲載からひと月足らずでいよいよ今週末に「当日」を迎えるのですが、イラストのような金のちゃんちゃんこは用意できませんでしたが、妻が京都まで行って古着呉服屋さんで買ってきた着物を艶やかな「ちゃんちゃんこ」にリメイクしてくれました。

内地にない87歳で行う沖縄の風習なので、子供も孫もひ孫も手探りで「大阪版カジマヤー」を盛り上げています。もちろん、大量の風車と、メッセージも添えて。

№183 大石林山はエキゾチック

辺戸岬のすぐそばにある大石林山(現アスムイハイクス)に行ったときのこと。展望台で巨岩を前にしての母との会話。

「この岩、2億5千年前の岩らしいで」
『へぇ〜 アタシでも、まだ、生まれてないわ』 

・・・・・

(ボケたのか?ボケをかましてきたのか?)

母、93歳(関西に染まって70余年)

『ジャパン!てな』 ・・あ、関西ボケやった

「それは、2億4千万や」 仕方なくツッコム

№184 「ないものねだり」って言うか!

久しぶりに実家に行くと、94歳になる母がようやく覚えたパソコン動画を見ていた。「ああ、おかえり」と僕を出迎える顔が何だかニヤついている。「また、韓流ドラマ見てたんか?」パソコン動画を見る方法を必死で覚えたのは、大好きな韓流ドラマを見たい一心だ。


『昔のドラマみたいで、なかなか面白いのよ』 パソコンを開いたままなので、僕からも画面が見えるようになった。「うわ、字幕で見てるやん、読むのしんどくない」と洋画を吹き替え版で見るようになってしまった僕が言うと。

『大丈夫やで。もう慣れたわ』と、年齢を忘れさせる返事が返ってきた。「でも、韓流ドラマは男前が多いけど、みんな同じ顔に見えるわ」と、「男性の美容整形も多いからな」と付け加えたら、『そうか、”男前”やったら何でもエエやんか』 そう言えば布施明が好きだったのも歌の上手さじゃなくて『顔が好みやねん』って言ってたな。80歳過ぎて妹とキンキの紺アートまで行きよったな・・・

「母さん、面食いやからな」 思い出を振り返りながら、ようやくパソコンから目を離した母に言ってやったら、『ははは、無いものねだりや』ときた。

「おいおい」息子が3人いて、5人の孫息子がいて、4人もひ孫息子を持ってるオバーが、そう言うか!と、一応抗議はしたものの、卒寿を越えてイケメン好きの母親は頼もしい。