実は難しい…?波動拳のつかいかた
格闘ゲームの象徴的な必殺技といえば、「波動拳」でしょう。
いわゆる飛び道具系の必殺技で、初心者にとっても分かりやすく、使いやすい基本技です。
しかし、この波動拳、簡単に見えてめちゃくちゃ使うのが難しい。
実は、格闘ゲームにおける立ち回りを象徴する奥深い技なのです。
今回は、その「波動拳の使い方」について、格闘ゲーム初心者から中級者、さらに一歩上を目指すプレイヤーにも参考になる内容を解説していきます。
昔の考え方は「飛ばせて落とす」
波動拳といえば、昔から語られる基本戦術に「飛ばせて落とす」という考え方があります。
これは、波動拳を撃って相手にジャンプで避けさせ、そのジャンプに対して昇竜拳などの対空技で落とすという戦術です。
強い戦術だった「飛ばせて落とす」
旧作では、無敵技や球抜け技が少なく、飛び道具をジャンプで避けるのが自然な対処でした。
そのため、波動拳は相手に「飛ぶ」という選択肢を取らせ、そこに昇龍拳などの強力な対空技を合わせる、いわゆる二段構えの戦術として使われてきました。
現在でも通用するが…万能ではない
「飛ばせて落とす」は今作でももちろん有効です。
しかし、プレイヤーのレベルが上がるにつれて、安易に「飛ぶ」ということが少なくなります。
飛んでしまうと、着地するまでは無防備な状態なので、相手が昇竜拳を出すと必ず負けてしまうからです。
波動拳を長い牽制技として考える
波動拳は飛び道具なのですが、“長い牽制技”として考えてみるといいかもしれません。
相手を動かし、ペースを作る
波動拳を撃つと、相手はそれに対処しなければなりません。
前に出てガードする、ジャンプする、回避技を出す―これらの行動は、相手の行動を制限し、自分に有利な間合いを維持する手助けになります。
つまり、波動拳を撃つこと自体が相手を動かし、自分のペースを作るための布石になるのです。
他の牽制技との違い
通常技の牽制は届く距離が決まっていますが、波動拳は画面端まで届くことが多く、リスクを負わずに攻めることができます。
さらに、当たらなくても牽制としての価値があり、相手の「不用意な前進」を止める効果が強いのです。
これを理解すると、波動拳は“攻めの起点”として非常に優秀であることが分かります。
波動拳を出すのか・出さないのかという駆け引き
波動拳は「撃つ」だけでなく、「撃たない」という選択肢を持つことも重要です。
撃つタイミングを読まれないために
相手が「波動拳が来る」と予測してジャンプしていた場合、こちらが撃たなければ昇竜拳で相手を落とすことができます。
波動拳を考えずに連打するのではなく、様子見も混ぜて使ってみましょう。
相手が上手いプレイヤーであればあるほど、ジャンプのリスクをきちんと考えているので、波動拳での牽制が重要になってきます。
飛ばれる理由は意識の分散ができていないから
「波動拳を撃つと飛ばれてしまう」という悩みを持つ初心者は多いです。
なぜ飛ばれてしまうのでしょうか?
それは、“波動拳に意識を集中しすぎている”ことが原因です。
目の前の状況を複合的に見る
波動拳を撃つことに夢中になっていると、相手がジャンプするタイミングを見逃してしまいます。
結果として、波動拳の発生硬直中に飛び攻撃を食らってしまうのです。
解決策
- 撃った後の状況を常に考える
撃った直後に相手がどう動いてくるかを意識しましょう。 - 対空の準備をする
波動拳を撃ったら、次は相手が飛ぶ可能性を予測して構えます。 - “撃たない”時間を増やす
あえて撃たないことで、相手のジャンプタイミングを崩し、意識を散らすことができます。
的を絞らせないこと、これが格ゲーを強くなる一つのポイントと言えるでしょう。
まとめ
波動拳は、初心者にとってわかりやすい必殺技ですが、実は非常に奥深い技です。
- 「飛ばせて落とす」という基本は今でも通用する
- 波動拳は遠距離から撃てる長い牽制技であり、相手の行動を制御できる
- 撃つ/撃たないの選択肢そのものが駆け引きを生む。撃たなくなるのはとても勿体無い。
格闘ゲームは“相手の選択肢を制限する”、”自分の行動を相手に読まれない”ことが勝利への近道です。
波動拳は、そのための象徴的なツールといえます。
もし「波動拳=ただの遠距離攻撃」と思っていた方は、この機会にぜひ、その奥深さを感じながらプレイしてみてください。