ややこしい仕事の合間にみる沖縄の写真♡ 癒し気分で見ていたのに勝手な妄想が膨らんできた! この写真に”そんなドラマ”は無いのに・・・
第5話 これはミルク金時だって!
付き合って2年になる彼女に、沖縄料理の店に連れ行かれた。沖縄は彼女の故郷で、この店はかなり沖縄にいる気分にさせてくれるらしい。グルクンの唐揚げにジーマミー豆腐、スーチカやヒラヤーチなんて、何が出てくるのかわからない料理を次々に頼んでいたけれど、名前はともかく全部美味しい。
僕の満足そうな様子に満足げな彼女が、最後に頼んだのが『ミルクぜんざい2つください』、お?一瞬頭が混乱しそうな料理名だぞ。(フランス風のぜんざい?なんてね。)

少し顔の濃い女性店員が「おまちどうさま」と僕らのテーブルに置く。「え?なんで、ぜんざいを頼んだのに氷ミルクじゃないか」店員に間違いを指摘しようとしたら、君は店員に目配せして礼を言い、彼女は少し笑顔を見せるとそのまま立ち去った。
『これが、ぜんざいなんだって』君は僕に向き合って言うが、僕は意味がわからない。よく見ると
氷ミルクの下に何か入っているようだ、少し削ると何やらぜんざいの色をした液体と小豆より大きな豆が出てきた。『小豆じゃないよ、沖縄のぜんざいは金時豆を使うの』
「ああ、金時豆を煮てるんだ」って、いったん彼女の言葉に乗っかったけれど、「そうじゃないよ!そもそもこれは”かき氷”じゃないか!」今にして思えば (”フランス風ぜんざい” なんて思ったのが恥ずい)
『これが、沖縄の”ぜんざい”なの』
「小豆ですらないし・・・」
『美味しいのよ』
「熱くもないし」
『だからよ!』
あ!これは覚えてる。(これ以上の質問はするな、この話はおしまい!)ってヤツだ。少し理屈っぽいと言われる僕が、意外に短気な彼女を怒らせないように覚えた言葉だけれど、彼女の話し方で感情を判断しなければならないのが少し難しい。

「名前はともかく、美味しいなぁコレ」氷の下から出てきた金時前は、ムチュっと潰れるのがかき氷と合っていて、本当に美味しい。『沖縄のぜんざいを食べて欲しかったわけよ』彼女が美味しそうに食べながら呟くもんだから、「どうせなら、沖縄で食べてみたいなぁ」と、 つい、口をついた。
『だからよ・・・』 少し甘えたような声で彼女が僕を見る、今度は僕の次の言葉を待っている。(なんだかズルいなぁ・・と、思う割に僕は笑顔で続きを話した。)
第6話 最悪と言うほどのことでは無いが、サイアクと名付けた
妻がアルコールを受け付けない体質のおかげで僕は何かとお得をしている。沖縄でも、夕食の時に安心して泡盛が飲めるのだ。好きな泡盛の今のNo.1は忠孝で”十二年””四日麹”や”古琉球”などなど・・だから、友人から教えてもらった那覇空港近くの忠孝蔵には行ってみたいと思っていた。これまでにチャンスがなかったわけじゃないけど、前回のチャンスを潰したのは他ならぬ僕だ。前日に国際通りで飲みすぎて、朝食も取れずにとても蔵元に行く気になれなかった。
だから、今回は気合が入っていた・・・レンタカーを返却するまであと3時間ある、沖縄を発つまで5時間ある、伊丹から自宅までは愛車を妻が運転してくれる筈だ。忠孝蔵からレンタカーの返却までは10分も見ておけば十分だろう。
機は熟した、試飲と買い物と工場長さんとユンタクする”時間”は確保した!

だから、これを「サ・イ・ア・ク」と言わずしてなんと言う。