何度も沖縄に行っていると、名所と呼ばれていないところで感動したり、久しぶりに行った名所で再発見があったり沖縄のアチラコチラは飽きることがありません。と思うのは僕だけかも知れません、しょせん個人の感想ですが、僕はいつも楽しいです。
スポット:5 でいごの花は知っているけれど、でいごの木は知らなかった
"天願の夫婦デイゴ"って、内地ではどこの放送局も扱っていないような沖縄のニュースで見ましたが、「天願」って耳に馴染みのない言葉が気になって調べますと、うるま市に”天願”という所がありました。
デイゴって花のイメージから、背丈ほどの木だと思っていたのですが、なんと!8mを超える2本の大木が”夫婦デイゴ”と呼ばれているとのこと。天願地区を走る市道沿いには3mほどのアメリカデイゴが街路樹のように植えてあるのですが、この旧天願小学校跡の2本のデイゴの木は仲良く寄り添いながら、そびえ立っています。

デイゴは内地だと桜ほどの知名度はありませんが、木を際立たせた赤い花は美しく大木を彩りますから、ゆっくりと見てみたいものです。開花時期は3月から5月にかけてと言いますから、いつも12月に訪沖する僕たちにとって”花見”は難題ですが、桜よりも長い時期で楽しめるようですから、いつか見てみたいと思っています。
でも、正直に言いますと、THE BOOMも歌うくらいですからデイゴの花は知っていましたが、デイゴの木は知りませんでした。こうして見ると、こんなブログを書いているくせに、僕の”沖縄うんちく”は知ったかぶりが多いように思います。
沖縄県民なら誰でも知っているような事を知らない!しょせん、後付け知識の分だけしか知らない、要は「知っている事しか知らない」と言う事実は”事実”として認めますが、知り得た沖縄知識はすぐに振りかざさないと、沖縄好きの友人たちにバレてしまいますから、僕の”知ったか”も容赦くださいね。
今回、このニュースで得た新たな情報のうち、①デイゴの木は8mもの大木になる。②天願という地名がある。は、このように知ったかぶります。
「4月になったら、デイゴの木に花が咲いてキレイだろうね」
『そうですよね、デイゴって意外に大きい木なんですよ』
(やはり、沖縄好きの友人は知っていたか!)
「天願の夫婦デイゴなんて、見てみたいね」
『テンガン?通り名?場所?なんですか?』
「地名よ、天に願うってカッコいいよね」
『どこら辺にあるんですか?』
「え!知らないの。うるま市役所の近く、天願小学校の跡地にあるよ」
スポット:6 むかしを散歩した波の上海岸
偶然見つけた白黒写真の裏には、還暦を迎えた僕が生まれた日よりも”古い日付”が鉛筆で書いてありました。日付の添え書きは「波の上にて」 ”とんぼ”と書かれた小さな漁船のヘリに腰掛けて、40年以上も前に亡くなった父の若かりし頃が写っています。大阪で石油や石炭を小売する燃料店を開いて、日夜作業着だったはずの父がスーツ姿でネクタイを締め、社用で沖縄に来たサラリーマンのように記念写真を撮っているように見えます。左手にはタバコを挟み、口元に僅かに浮かぶ笑みが故郷でリラックスしているようでした。
波上宮を参拝した後に、車を回して波の上ビーチに行ってみました。僕の目的は数十年も前に撮られた白黒写真と同じ景色を見に行く事。広いビーチのどこなのか見当も付かないのですが、背景に写っている横顔のような岩が手掛かりです。60年を超える歳月は漁港をビーチに変えましたが、この大きな岩ならば、当時と変わらずに在るかも知れません。
飛行機の時刻が迫る限られた時間の中で、どれだけ”親父の居た昔”にたどり着けるのか?不安と期待をチャンプルしながら写真を手に浜辺に降り立ちました。波の上ビーチは国際通りまで1km余りの距離にありながらエメラルドグリーンの透明な海がある美しい海水浴場です。ビーチ前で目の前にある58号線バイパスも写っていない古い写真だけが一縷の願いなのです。
あれ?
深呼吸をして歩き出した僕の目の前に、人の横顔のように見える岩があります。え?手元の白黒写真を見ます、目の前の岩を見ます、もう三度づつくらい岩と写真を交互に見ましたが、間違いなさそうです。凄い覚悟と不安と期待を込めたのに、歩き出して5分程度で見つけてしまいました。本当に嬉しいのですが、探し歩く苦労も過ぎゆく時間に焦る事もないまま見つけました、心情的には『見つけてしまいました』です。正直に言いますと、”感動”には多少の困難さが必要でしたが、僕は唖然とし、妻は大笑いしています、親父まで写真の中で笑っているようでした。

