去年は沖縄に行ったから今年はどこに行こう」なんて、言っていたはずなのに
「北海道がいい」とか「ネズミの国」がいいとか言ってたはずなのにー
気がついたら那覇空港にいてしまうような沖縄好きの戯言です。
No.64 シーサーがあふれる街、あふれる家
国際通りから入った「市場本通」をダラダラ歩いていると、いつの間にか出た道路の脇にデカいシーサーが鎮座していました。「デカい!」と思いましたが、よく見ると同じようなデカさのシーサーをゆいレールの駅のそばで見た記憶があります。「あれ?記憶違いか」と思いながらも、調べてみると間違えてはいませんでした。僕が出会ったのは那覇市の「壺屋うふシーサー」で、「壺屋」は地名、「うふ」は「大」という意味ですから「壺屋の大シーサー」という感じでしょう。で、記憶の方は牧志駅近くの国際通り沿いにある「さいおんうふシーサー」で、同じ作家さんによるものでした。こちらの「さいおん」は地名ではなく、偉人”蔡温”に因んでいました。「うふ」は同じ「大」ですね。その名のとおり、巨大と言ってもいいくらいの大きさなのに細部まで作り込まれていて男前です!

那覇に限らず、沖縄には格好よくてデカいシーサーがあちらこちらに設置されています。南部でも中部でも北部でも見かけます、公民館、体育館、公園、会社、お土産屋さん、街を走れば、どこもかしこも守られています。沖縄市の石川では交差点ごとに置かれていましたし、2019年に撤去されたけど、名護市役所の56体の漆喰シーサーは有名でした。ずいぶんと会っていませんが、残波岬のやたらデカいシーサーは元気でしょうか?陶器、赤土、石、瓦、漆喰と素材は色々、形も色々ですが、「守り神」であることは共通しているようです。
沖縄では、「悪いものは外から来る」という考え方が良く分かるのがシーサーであり、石敢當でしょう。また、その話は追い追い。
うちの家でも、表札、玄関、仕事部屋、リビングに、シーサーさんが鎮座していただいていますが、ふと、思います。
「俺の家、どんだけ危険やねん」
No.65 「めんそーれ」って言わないの!?
英語や中国語のように、うちなーぐちも”聞き流し政策”を取ることにしたので、適当な動画がないか調べていると、おじさんと綺麗なお姉さんがどこかのちゃんとしたスタジオでやっているような動画を見つけた。
おじさん:「めんそーれ、なんて日常では使わんよ」 なんだって!でも、那覇空港でしか聞いたことがないかも知れない。聞き流すつもりの動画が気になってしまった。さらに、おじさん:「にふぇーでーびる、も余り使わないなぁ、普通に”ありがとう”って言うよな」 えええーそれはおじさんだけなのではないの?にふぇーでーびるボデイビルって、ほとんど慣用句じゃないの!おねえさん:「そうですね、言わないですね」って、相槌を打つから『そりゃ、おじさんが使わないうちなーぐちなら、なおさら若い女性は使わないよね。』と、妙に納得。
調子に乗って(いや、淡々と話しているだけで、全然調子に乗っている風には見えませんが)おじさんが続ける:「なんくるないさー、もそうだよね」なんだって!大好きなうちなーぐちランキングでも最上位に入る言葉まで蔑ろにされては、反論したくなりましたが、僕に代わって、おねえさんが言ってくれました:「でも、なんくるないさ、は時々使うかも?」いいぞ、いいぞ!このおじさんが”うちなーぐち”離れを起こしているのかも知れない、若者たちは「なんくるないさ」を使ってるよね、内地の僕らでもテレビのタレントでも一番多く使ってない?って、くらいだよね。
でも、おじさんのウンチクが的を射ていた。おじさん:「なんくるさいさって言うのはね、本当は『まくとぅーそうけい、なんくるないさ』って言ってね、誠(まこと)つまり誠実にやっていれば、いつかは何とかなるよって意味なのよ」(あ、これは聞いたことがある。)おねえさん:「ええ!ほとんど根拠のない『大丈夫』って感じで、おちゃらけて使ってるかも」おじさん:「そうそう、本来の壮大な意味でなく使われている感じ」って、優しく返すから、おねえさんも納得したようでしたが、僕は少し納得していません。
いいじゃないですか!本来の意味を知って、なお軽口で使ってこそ”文化”として浸透していくのじゃないですか!って、もう完全に聞き流さずに動画を見ている。
「有り難し」って、あり得ないことを施された時に出た感謝の言葉が、今は軽く「ありがとう」って言葉でみんなが使っていても”良い言葉”ですやん。「心がこもっていない”ありがとう”には意味がない」と言うような、強い言葉で”ありがとう”を語る人もいますが、僕は、心がこもらずとも口にした段階で何らかの”感謝の意”が込められるセリフだと思います。
「なんくるないさ」も教訓詞であっても「大丈夫」ってだけの意味で使っても”良い言葉”だと思います。「なんくるない」って前向きな気分でないと言えないでしょう。
今日の「うちなーぐち聞き流し政策」は完全に失敗です。うちなーぐちを聞き流すのは難しい、でも「なんくるないさ」と、言ってみよう。

