去年は沖縄に行ったから今年はどこに行こう」なんて、言っていたはずなのに
「北海道がいい」とか「ネズミの国」がいいとか言ってたはずなのにー
気がついたら那覇空港にいてしまうような沖縄好きの戯言です。
No.43 神様の指示だと言われると悩ましい
『突然、頭の中で声がして指示されたんだ!』凶悪な犯罪を起こしておいて、何かのせいにしようとする犯罪者の言い訳を聞くと、①頭がおかしいのか!②責任逃れか!③正当化しようとしてるのか!なんて思います。「このままだと私が刺される」「彼の魂を救ってあげたんだ」・・”思い込み”は500歩譲って妄想の仕業と考えることもできますが「誰でも良かった」「自分より弱い人を狙った」なんて聞くと、怖さと憤りを禁じ得ません。
過去には『悪魔が囁いた』 という猟奇的な事件もあったように思いますが、これも、何かに責任転嫁して現在の状況を無理変える短絡的な犯罪ですね。
でも、囁いたのが悪魔でなく神様だったらどうしましょう?
以前、違う感想を抱いた沖縄の事件がありました。
ひとつは、世界遺産の斎場御嶽の三庫理(サングーイ:有名な三角の岩)の奥にある、最も格式の高い拝所に置かれたチョウノハナ(石の香炉15基の総称)を成す香炉1基を盗んだ、2021年の事件があります。盗まれて開いた部分には別の石材が置かれており、瞬時には盗難に気づけなかったようですが、10日余り後になってガイドをする観光職員の方が異変に気づき警察に届け出ました。犯行は営業時間内に行われたと言うことですが、香炉は石製のため重く、人の目に触れないように持ち出すのも簡単ではなかったと思いますが、それだけのリスクに見合うリターンが犯人にあったのでしょうか?
沖縄タイムスや琉球新報の記事によりますと、犯人の男は新聞報道を知って「良心がとがめた」ために香炉を持って自首したと言うことですが、盗んだ動機が「香炉を移すようにと言われた」とありました。女性自身やその他のネット情報では「神のお告げ」とありますから、「神様が香炉を別の場所に移すように告げた」から盗んだと言うことになるんでしょうか?内地の感覚では、”妄想癖のある戯言”と捉えられるのが一般的だと思いますが、転売ができないような素人が”盗む”というリスクを犯してまで香炉を移動させるのでしょうか。
僕はナイチャーですが沖縄出身の両親を持ち、沖縄の文化も色々と調べた事がありますから、犯人の”言い訳”のすべてを否定できないのです。犯人が香炉を傷つけることなく斎場御嶽近くの城跡に置いていたと言うのも、”言い訳”を否定しきれないところです。
この香炉がなぜ拝所に15基も置いてあったのかと言うと、このチョウノハナと言う場所は琉球王国の国王の姉妹神とも言われる聞得大君の即位の儀式が行われた場所で、治世の為に神の声を聞くお役目を持った聞得大君が15人即位したと言うことです。(即位のたびに新しい香炉が用意されたと伝わります。)盗まれた香炉が第何代の聞得大君のものかはわかりませんが、強い霊能力を有していた女性であれば42歳の男性に”声”を聞かせたのかも?と、思うわけです。人目の多い場所での犯行が可能になった瞬間を作ったのも”誰か”の仕業なのでしょうか。

もうひとつは、その神の声を聞くことができると言う女性の事件です。有名な霊媒師の方で”渡久地十美子”さんと仰る方なのですが、「ほんとうの琉球の歴史」や「祭祀のウソ・ホント」など、霊媒師目線による著書を多数出版されています。実は僕も読んだことがあるので、ニュースは衝撃でしたが、要は、この方の言う話を信じるか・信じないかに尽きます。
80歳を超える老人が知人(信者や支援者の方かも知れません。)2人とともに石棺を盗みだした事件で、この琉球王朝時代の石棺に用があったようで、中の遺骨は置いて行かれたそうです。一緒に連れて行かれても困りますが、服だけを剥ぎ取られたようなものだとすると、遺族からすると故人が辱めを受けたような気になるのではないでしょうか。
白昼堂々と運び出したと言うのですから、見つかる見つからないではなく、「声が聞こえて導かれてやった。勝手にやったわけではない」と罪の意識はなく、「許可は取っている」と言うものの、墓主に取った許可ではないようです。盗んだのは石棺ですから時価はあってないようなものですし、香炉よりも重さも大きさもありますから簡単に転売できるようなものではありません。そうすると、香炉の時と同じように盗むリスクを超えるリターンがあるように思えませんから、「本当に神様が指示されたのだろうか?」と言う考えが頭を過ぎるのです。
神の島で知られる久高島の重要な拝所である外間殿からも香炉が盗まれた(後に返還されたとの記事もありましたが、きちんと確認できていません。)というのですから、「なんで?」という思いが後を経ちません。
金銭的な動機や悪戯的な動機も感じませんから、「誰かに指示された」ことが的外れだと決めつけられないのです。そもそも、沖縄は「医者半分ユタ半分」と言う言葉が残るほどスピリチュアルな島ですから、つい、「そう言うこともあるかも知れない」と思えてしまうのです。
ただ、『神様の指示に従った』のが本当だとしても、声の主が”本当の神様”かどうかは別だと思います。沖縄でなければ、もっと胡散臭く感じる事件が、沖縄だけに”神の声”が降りてくるのが理解できますし
”聞ける方”にすれば、何かの啓示に逆らえるものではないでしょう。
沖縄で、「神様の声が聞こえたから」と、言われると、霊媒師の言葉じゃなかったとしても悩ましい捜査になるんだろうなと思われます。