去年は沖縄に行ったから今年はどこに行こう」なんて、言っていたはずなのに
「北海道がいい」とか「ネズミの国」がいいとか言ってたはずなのに
気がついたら那覇空港にいてしまうような沖縄好きの戯言です。
No.36 小言対策
「財布、定期、時計、ハンカチ、イヤホン」妻が玄関先で朝のルーティンとなっている忘れ物チェックをしてくれる、僕は「ある・・ある・・ある・・ある、ある」ルーティン通りに答えている。
今夜は飲み会があるので、いつものように自転車で行く事ができないために駅まで妻が車で送ってくれた。おかげでいつもの半分の時間もかからずに駅に着き、運転席の妻に「ありがとう」そう言って車を降りて歩き出した途端にスーツの内ポケットに”定期券”が入っていない事に気付いた。
「ヤバ!」
僕は走り出した車を恋愛映画のように追いかけると、うまい具合に信号待ちをしていた妻に追いついたので、助手席の窓から叫ぶのと同時にドアを開けて車に飛び乗った。「どうしたん?」訝しがる妻に、「定期券を忘れた」ことを告げると、妻のしてくれた「忘れ物チェック」に、ただ単に「相槌」を打っていただけなのがバレた。
「もう!何のために朝のチェックをしてるのよ!」おざなりの返事をしていた事がバレたせいで、家に戻るまで、ずっと小言を言われ続けてしまった。
扉に鍵を挿したまま中に入り2階の僕の部屋のクローゼットを開けて昨日のスーツの内ポケットから定期券を取り出した。鍵をかけて玄関先で待つ車に乗り込むと、すぐに車は発進し、駅までの2往復目が始まったけれど、妻の怒りがまだ続いているようだったので、慌てて僕から話を振ってみた。
「朝から2往復もさせてゴメンな」「ほんまや!・・・だいたい・・」やっぱり怒っていたので、妻の声が聞こえなかったふりをして「結局、どこのステーキを食べようかなぁ?」と言ってみた。
これは昨夜の話の続きで、来週から行く沖縄旅行の”恒例のステーキを食べる”お店が決まってなかったからだけれど、功を奏した。
「結局、コストと味のバランスやんな」と僕、「でも、無茶苦茶に高くないなら、やっぱり味を優先したいな」と腰を折られた話の続きよりも沖縄の話を選んだ妻。「そうすると泡瀬かな?」「うん、でもいつ食べるかで場所も変わるやん」
駅までの数分間、もう、怒られる事はなかった。

No.37 そりゃぁ、後悔する事もあります
例えば、十二月に沖縄に行ったとします。内地の気温10℃の世界から那覇の気温23℃の世界へ2時間で移動! すると、僕は寒暖差アレルギーが出てしまい、訪沖の前から体調を崩しているところへアレルギーの攻撃で風邪をひきます。(沖縄旅行を控えているのに体調を崩してはなりません。)
例えば、少し風が強い日にやんばるの山に登ると、暑さと疲れと景色で爽快な気分になりますが、少し休憩したくらいで下山し始めると、風で汗が冷やされて寒せで風邪をひきます。(低山だからと侮らずにきちんと対策をすべきでした。)
例えば、沖縄の人は多少の雨なら傘をささないって知ったものだから、気分だけはうちなんちゅで勝連グスクを駆け上がって、汗と雨ですっかり身体が凍えて風邪をひきます。(傘が危なければ、雨合羽を着るようにして、雨合羽がなければ無理に登らない勇気が求められました。)
それが、旅の初日だと、結構、尾をひきますから、本当に要注意です。
だから、鼻水が出ても、咳き込んでも発熱しなければ、医者には行きません。頭が痛くても、鼻血が出たとしても医者には行きません。医者に行くと「風邪」と認定されますから、「風邪をひいていない」と自分や周囲を納得させて、のど飴のついでにドラッグストアで風邪薬を買って、完結させます。
そりゃ、後悔することもありますよ。「鼻炎対策しとくべきだった」とか、「着替えを持って登れば良かった」とか「素直に傘をさせば良かった」とか、「諦めて病院に行けば良かった」とかです。でも、一番後悔したのは何だったかわかりますか?
沖縄の病院の診察券を手に入れるチャンスを逃した!これだけは、今でも後悔しています。
No.38 訂正する勇気と訂正しない勇気
妻は、よく言い間違う。『うらぞえって那覇のちょっと上のとこやんな』僕は答える「うらそえな、那覇のすぐ北側やで」『知ってるって、うらそえやろ。あそこにジミーズあったやんね』さらに聞いてくるので答える、「あるある、あるけど行った事ないで、行ったことあるのあるジミーは58号線沿いやったから」『そやったかな、那覇の近くじゃなかったかな』
沖縄旅行中の行動を考えている妻は続ける『今回はポーク以外にジマミー豆腐も買うから、サンエーに行くの確定で』(どうせ、いつも行ってるやん、サンエーカード持ってるやん)と心でつぶやきながら、それとなく訂正する「そうやね、ジーマミー豆腐も美味しいからな」『地元やったらゴーヤの値段も安いのかな』(スーパーのカード持ってるからって、観光客が野菜まで買わなくていいやろ!)と口にせず、「ゴーヤーもたくさん置いてたけど、こっちで買っても安い時もあるで」
優しい妻を優しいままでいさせるために、僕は「何度も訂正してはいけない」という、経験則を持っている。