何度も沖縄に行っていると、名所と呼ばれていないところで感動したり、久しぶりに行った名所で再発見があったり沖縄のアチラコチラは飽きることがありません。と思うのは僕だけかも知れません、しょせん個人の感想ですが、僕はいつも楽しいです。
スポット:7 喜如嘉の芭蕉布
テレビで名曲「芭蕉布」の作詞をした吉川安一さんが「母や故郷への想いを縦の糸に、沖縄の文化と歴史を横の糸に込めた」という旨の話をされていた記憶があります。
本島や離島の女性達に琉球王国が課した布地の上納制度(年貢や税金のようなもの)が、結果として
沖縄を代表する美しい芭蕉布を生みました。糸芭蕉から製作される芭蕉布は、外側の固いものから最内の柔らかいものまで色々と加工されていたようですが、高温多湿な気候にあって涼やかで肌にまとわりつかない芭蕉布を使った着物は献上される上布だけでなく、庶民の着物としても大変重宝されていたようです。
ただ、一つずつ手作業で芭蕉の育成・収穫から長い糸になるまでの数多くの工程、反物にする技術や縫製作業を人の手でこなす伝統工芸品は、その手法の伝承が大宜味村で行われていますが、芭蕉布の着物は、その手間と希少価値故に”高級品”となっています。
今は、歌にあるような”首里加那志(すいてんがなし=琉球国王)”も琉球も無くなったけれど、王府へ上納品だった芭蕉布は、今や名だたる工芸品として名を馳せ、大宜味村喜如嘉の芭蕉布会館では90歳を超える現役の職人が糸芭蕉の繊維を糸にした苧(うー)を反物を作れるよう何本も結び合わせていく作業の様子を見る事ができます。(僕が行ってから数年経つので、今もお元気であればという意味になります。)

上納していた首里の古城は焼失しましたが、芭蕉の葉は、風に吹かれ優しく手招きしているように揺れています。もし、行く事があるのならば、是非”芭蕉布”の事を調べた上で現物をご覧になる方が、無茶苦茶展示の着物が欲しくなって面白いです。
僕には買えませんでしたが、我こそはと思う勇者は値札に挑戦してみて下さい。
スポット:8 スーパーな勘違い
「Jimmy’s」は沖縄のローカルスーパーマーケットですが、僕の感覚的なものかも知れませんが、他のスーパーと少し雰囲気が違うような気がしています。どこが違うのかと言われると明確に「ココ」と言えるほど何度も訪問している訳ではないのです。決して、「サンエーカードを持っているから他のスーパーには行かない」なんて誓いを立てているのではなくて、僕らの宿泊地である恩納村や名護に少ないのです。名護のJimmy’sには行けないと言うことはないのですが,58号線沿いのマックスバリューの中にあるのです。行った事がないので確定的な情報ではありませんが、店舗の規模から見て「ケーキ屋さん?」みたいに感じるのです。行った事があるのは、レンガの赤壁が印象的な嘉手納店だったように思うのです。
そこで、キチンと店舗検索してみましたら、店舗ごとに特徴があるようで、那覇店や大山店には併設レストランもあるようです。評判の高いデリカも全店で扱っているのではないようでしたが、ケーキやパンは名護店やあげな店と言った小さな店舗でも扱っているので、全店取扱だと思われます。
確かにケーキは「旨くて安くてデカい」イメージがあるのですが、それも含めて、全体的にアメリカンスーパーマーケットの印象なんです。で、比較的新しいのかと思えば、創業70年に近い超老舗でした。Jimmy’sなんて名前のお店が老舗なんて、沖縄っぽくありませんか。
ぜひ、ホテルの位置と人数と晩御飯と旨いと評判のデリカとケーキを事前に調べておくと、「せっかく沖縄に来たのに、スーパーの惣菜を買うの!」なんて、批判にも、「沖縄に来た時にしか食べる事のできないデリカだぜ!」なんて”返し”に家族が納得してくれたなら、夕食代とデザート代が格安になること間違いなしです。
これだけ、Jimmy’sを推しておいて何なのですが、恥ずい告白をしますと、20年以上も「ジミーズ」だと思っていました。今まで、そう読んでいた読者の方は居られませんか?だって、「’s」が付いているじゃないですか。今さら「ジミーだよ」って教えられても、なかなか直せないのが、所詮、観光客だと言う事でしょう。でも、僕は数年前に意識して直しましたが、妻のように直せない「ジミーズ」派も内地には一定数居られると思うのです。
スポット:9 スーパーの駐車場から見える海が沖縄
昨年、偶然に立ち寄った与那原町のスーパーが凄かった!駐車場から見えた海が近くて碧くて美しい。記念写真を撮るようなエメラルドグリーンの海が、島ドーフを入れたスーパーの袋を片手に見えるなんて、ここに住む人にとっては、当たり前なのだろうけど、日常生活と共に写真に撮りたい海があるなんて、凄くて羨ましい。
あの景色が忘れられずに、南部に来たついでに、今年は必然にしようとカーナビに”与那原店”と入力した。妻と思い出を語りたかったけど、彼女は目的のスーパーのチラシをチェックしている。(なんでやねん!と思ったけれど、スーパーを目指すのだから彼女が正しい。)
あれ?ナビが案内してくれた店には覚えがない。一応、車を降りて周囲を見たけど、そもそもナビの画面に海が映っていなかった。「ここと、違うな」僕はつぶやき、すぐに立ち去ろうとしたけれど、事前のチラシで目星をつけていたのか、「沖縄でしか買えない物は、買える時に買っとく」と、スーパーのお客さんとしては正論を吐いて車を出た。
彼女の後姿を見送りながら、目的の斎場御嶽にナビの目的地を合わしている途中で、ある考えが浮かびスマホで検索すると、「あった!」与那原町にもう一店舗同じスーパーがあった。買い物から帰ってきた彼女が何か言おうとしたが、「あったで!去年の店。斎場御嶽に行く途中やから寄ろう」という僕の勢いにあきらめて助手席に乗り込んだ。
向かった途中で、馴染みの”A”が並んだ看板を見つけた!「やっぱり!ここやぁ」与那原町にあったのは覚えていたけど”与那原店”じゃなくて、”与那原板良敷店”(よなばるいたらしきてん)でした。
店名は分からなかったけれど、たどり着くと記憶の通りに、店の後ろにある海はキレイだった。二人で車を降りて海を見ていたのに、なぜだか、妻はまた店内に行こうとしている。しかも、今度は最初から僕を連れて行こうとする。「ええ、なんで?」若い恋人が手をつなぐのとは少し違うように僕の手を引きながら妻が言う。「今日はSPAMが安いから一緒に来て」え!「俺も行くのか?」
「ひとり3缶までやもの」(スーパーでは彼女が正論だ)